フランス北部に位置する白ワインの銘醸地、Chablis(シャブリ)。他の産地とは一線を博す、その優美な魅力に迫ります。
APELLALION アペラシオン
Chablis(シャブリ)は4つの大きなアペラシオンで構成され、順位付けがされています。
品種は全て、白ブドウのシャルドネ100%。それ以外の品種で作ると”AOP Bourgogne(AOPブルゴーニュ)”の、地域名格付けに。
◼️Chablis Grand Cru (シャブリ・グラン・クリュ)約105ha
・7つの「クリマ」より構成される特級畑。 ※「クリマ」についてはこちら
・7つの「クリマ」:Grenouilles(グルヌイユ)、Bougros(ブーグロ)、Blanchot(ブランショ)、Valmur(ヴァルミュール)、Vaudesir(ヴォーデジール)、Les Preuses(レ・プリューズ)、Les Clos(レ・クロ)
・長期熟成型のハイポテンシャルなワインが多く、奥深い魅力が満載!の大御所感。
◼️Chablis Premier Cru(シャブリ・プルミエ・クリュ)
・40の「クリマ」より構成される1級畑。
・生産者のポテンシャルやヴィンテージによっては、Grand Cru(グラン・クリュ)と同等のワインに仕上がることも多い。期待を裏切らない優等生タイプ。
◼️Chablis(シャブリ)
・畑の記載がない、全域をカバーするアペラシオン。
・酸やミネラル、果実味等、生産者の個性が一番クラシカルに表現されているとも言える。価格がリーズナブルなものも多いので、入門しやすい。
◼️Petit-Chablis(プチ・シャブリ =小さなシャブリ)
・Chablis(シャブリ)のブドウ栽培畑の中でも、標高230-280mの比較的高所で栽培されるブドウが使われている。
・早飲みのタイプが多く、酸度も低めのものが主流。
引用:https://www.chablis.fr/decouvrez/un-territoire-et-un-terroir-unique/quatre-appellations-et-un-cepage/quatre-appellations-et-un-cepage,1238,6982.html?
47の「クリマ」についてはブルゴーニュの公式HPで1つづつ解説がされています ☟ http://www.chablis.jp/explore/the-terroir/the-climats-of-chablis-micro-terroirs/climat,2137,8358.html?
【注意】元がフランス語での記載HPを(恐らく)自動翻訳で日本語化がされていますので、文章は不自然
Terroir 土壌 Kimmeridgean キンメリジャンとは
Kimmeridgean キンメリジャン
Chablis(シャブリ)は“Kimmeridgean(キンメリジャン)”土壌で有名な産地。他にはロワール地方やシャンパーニュ地方で見ることのできる、石灰と泥灰が混ざった土壌です。通常は表土の下「下層土」に多く見られます。
“Exogyra virgula(エクソギラ・ヴィルギュラ)”と呼ばれる、小さな牡蠣の一種である貝が堆積して出来上がっている為、ミネラル分に富んでいるのが特徴。
右岸の標高100~200m程の場所に位置する特級畑「Chablis Grand Cru(シャブリ・グラン・クリュ)」(上の地図の赤い部分)では、表土に露出した“Kimmeridgean(キンメリジャン)”を見ることができます。大昔のジュラ紀は、そこが海の底であった事を表しています。
ワインへの影響
土壌に含まれるミネラル分がワインの味わいにも「ミネラル感」をもたらすかどうかに関しては、「科学的な分析を行うと、ワインの中には土壌由来のミネラルはほぼ残存していない」そう。
一言に“ミネラル”と言っても、その種類はなんと約118種!その中で、私たち動物や植物に必要な栄養素は約30種ちょっと。“Kimmeridgean(キンメリジャン)”土壌にはその多くが含まれていると言われています。
根から必須栄養素である“ミネラル”をたっぷりと吸収し、味わいのしっかりとした凝縮感の感じられる、栄養に溢れた健全なブドウが育つのです。
これが「白い宝石」と称される、Chablis(シャブリ)で育つシャルドネ品種の個性になっています。
また、“Kimmeridgean(キンメリジャン)”土壌は水はけが良いことも特徴。
これはブドウの発育に欠かせない大切な周辺環境要因の1つです。
味わい
一般に“Kimmeridgean(キンメリジャン)”土壌で育つブドウから造られるワインは、
- 果実味に富み、凝縮感に溢れている
- 酸度も高く、長期熟成型のハイポテンシャルな仕上がりになることが多い
- ミネラル感が全体を引き締め、コクを感じられる味わい
などと表現されることが多いです。
【雑学】シャブリとムルソーの違い
白ワインの銘醸地、Chablis(シャブリ)とMeursault(ムルソー)
150㎞程しか離れておらず、どちらもシャルドネ種100%で造られる白ワインの銘醸地として知られています。大きく異なる、と言われる味わいの違いについて、歴史的な背景から紐解いてみたいと思います。
新樽か古樽か
この2つのアペラシオンを飲み比べると、
樽を使った熟成時に新樽(まだ未使用の新しい樽)を使うか、古樽(1度~数回すでにほかのワイン、またはお酒に使用された樽)を使うかによる、樽由来の味わいの個性の違いが大きいといえます。
一般的に、
Chablis(シャブリ)は古樽
Meursault(ムルソー)は新樽
にて熟成が行われます。
Chablis(シャブリ)のお話
昔、ワインを流通させる際、川に面したワイン産地であるChablis(シャブリ)は、船で輸送が行われていました。その際に、熟成したワインは樽のまま出荷され、中身のワインだけが各地で配られたのち、空の樽だけが却ってきました。その却ってきた樽を利用し、新しいワインの熟成が行われ、またその樽のまま出荷される…。味わいを均一にさせる為にも新しい樽は避けられ、運搬しやすい様に小さめの樽が用いられた。このような歴史があり、今でも古樽の熟成文化が残っているのだそう。
Meursault(ムルソー)のお話
Meursault(ムルソー)はChablis(シャブリ)よりも内陸に位置する産地。よって運搬は陸路にて行われていました。その際、樽で出荷したワインは、行ったら行っきり。なので、毎年新しい樽を新調する必要があった。その為、今でも新樽での熟成文化が残っているのだそう。
以上、歴史的な背景の雑学でした。
皆様がちょことおでも、Chablis(シャブリ)のワインが飲みたくなっていただけたら幸いです。