そもそもワインってどんなお酒? どうやって作るの?
シンプルに分かりやすく。明日誰かに話したくなる小さな雑学を添えて!
On y Va!!
ワインの原料
ワインの原料は? 答えは、ブドウです。
ワインは原則「ブドウだけ」を使って造られるお酒です。
これ、当たり前のようなんですが、
皆さん、酒屋さんや道の駅などで、「りんごのワイン」や「パイナップルワイン」など、ブドウ以外の果実を原料とした「〇〇ワイン」見かけたこと、ありませんか?
実は、日本の今の法律では、ワイン以外の果物で造ったお酒も、ワインと表記して販売することが違法ではありません。
一方、ヨーロッパやアメリカでは、「ワインは原料をブドウとする」と法律で定められています。
いずれかは日本でも取締が厳しくなる日が来るのでしょうか。(美味しいですよね、伊豆の「みかんのワイン」とか。)
ちなみに、(ここからは余談)
例えば、アメリカ産のワインに「ブルゴーニュ・ワイン」や「モーゼル甘口」など、異なるワインの銘醸産地を連想させ販売を促進させるような名前を付ける、といったことも禁止されています。
ワインのカテゴリー
ワインの酒類として分類されているカテゴリーは、醸造酒。
同じ醸造酒のカテゴリーには、日本酒やビールなどがありますが、
日本酒の原料は「米と米麹と水」、ビールの原料は「麦芽とホップと水」
2つとも元々の水分量が少ないので、お水が必要なのがミソ。
ワインは元々の水分量が多く、糖分も高いので、原料単体でのアルコール発酵の開始が可能なのです。
原料となるブドウの種類
ブドウの種類は、食用や醸造用合わせて、1万種以上といわれています。
その中でワイン造りに使われているのは300種ほどで、
世界でメジャー主要ワイン品種は50〜60種ほど。
ルーツで2つに分類分け
現在、ワイン用、干しぶどう用または生食用に栽培されているブドウは、ペルシアやカフカスが原産のヴィニフェラ種 (V. vinifera) と、北アメリカ原産のラブルスカ種 (V. labrusca)である。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A6
ヨーロッパ系の品種は ヴィティス・ヴィニフェラ種、
アメリカ系品種は ヴィティス・ラブルスカ種です。
ヴィティス・ヴィニフェラは、ワイン醸造に向くと言われており、日本でもメジャーな「ピノ・ノワール」や「カベルネ系(カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど)」「メルロー」など、聞きなれている品種はほとんどこの種に分類されます。
一方、
ヴィティス・ラブルスカは、食用に向くといわれており、ワイン醸造にも使われる「コンコード」や「デラウエア」はこの種に分類されます。
ウィキペディアにそれぞれの品種の個性などは詳しく載っていますので、参考になさってみてください。 👉
ワインの造り方
ブドウの知識が深まったところで、ワインの造り方に参りましょう。
ワインには大きく分けると、 泡・白・赤 がありますね。
泡(シャンパーニュやスパークリング)に関しては、こちらhttp://www.akjapon.com/?p=258「Bulls-発泡ワインの世界-」にまとまっていますので、ご参考になさってください。
ここでは、ベースとなる白と赤の醸造方法を解説していきます。
白ワインの作り方
①Vendange(ヴァンダンジュ)収穫 :手または機械にて収穫を行います。
②Pressage(プレサージュ)圧縮 :白ワインは主に果汁のみを醸造するため、大きな圧縮機でプレス。
Encuvage(オンキューヴァージュ):タンクへ果汁のみを移します
③Debourbage(デブルバージュ):発酵を行う前に果汁をしばらくそのままにして、固形物を沈殿させます。
Soutirage(スーティラージュ):フィルター処理または重力のみを使い、果汁と固形物を分離させます。
果汁のみを別のタンクへ移します。
④Fermentation alcoolique(フェルメンタシオン・アルコリック)アルコール発酵:天然酵母または自然酵母が果汁中の糖分をアルコールへと変化させます。この時に多くの二酸化炭素(CO2)が排出されますので、タンクは開けておくことが多いです。
アルコール発酵が終わったワインは、タンクのままの場合と、樽やベネトン(コンクリートタンク)へ移される場合があります。
⑤Fermentation malolactic(フェルメンタシオン・マロラクティック)マロラクティック発酵:ワインの中のリンゴ酸が乳酸へと変化する発酵です。
⑥Assembrage(アッサンブラージュ)混醸:品種をブレンドする場合は、異なる樽(タンク)のワイン同士を同じタンクへ移します。
ここでも、役目を終えた酵母などの固形物を取り除くため、Soutirage(スーティラージュ)が行われます。
⑦Collage(コラージュ)清澄:古くからのやり方では卵の白身が使われます。
⑧Filtration(フィルトラシオン)濾過
瓶詰めして、完成!! (ぱんぱかぱーん!)
赤ワインの作り方
①Vendange(ヴァンダンジュ)収穫 :手または機械にて収穫を行います。
②Egrappage(エグラッパージュ)除梗:茎など果実からを取り外し、
Foulage(フーラージュ)破砕:アルコール発酵が起こしやすいよう、少しだけ果皮にダメージを与えます。
③Encuvage(オンキューバージュ):タンクへ果実を移します。
白ワインは果汁のみでしたが、赤ワインは皮がついたままのブドウです。(茎なども一緒に醸造開始させる生産者も居ます。多くの場合は雑味となるので好まれません。)
④Fermentation alcoolique(フェルメンタシオン・アルコリック)アルコール発酵:天然酵母または自然酵母が果汁中の糖分をアルコールへと変化させます。この時に多くの二酸化炭素(CO2)が排出されますので、タンクは開けておくことが多いです。
Pigeage(ピジャージュ):別名パンチングダウン。棒などを使って、タンク上部に浮き上がっている果皮を液中へと押し下げること。これ実はとっても危険で、たまにタンク内へ人が落下して死亡事故なども起きています。
Remontage(ルモンタージュ):別名ポンピングオーバー。こちらは下から果汁をモーターを使い上へ上げて、シャワーのようにタンク内へ降らせる作業。
⑤Ecourage(エクラージュ):ワインをタンクから出します。
Decuvage(デキュバージュ):こちらもタンクからワインを引き出す、の意です。この作業ももちろん人力。タンク内に入り込んで、シャベル的なもので書き出しますが、超重労働。アルコール発酵が行われていたタンクはガスが充満していて、高温なので下手したらぶっ倒れる位危険(もしくはナチュラルハイ)なのです。基本的には男性が「醸造中に一番かっこよく見える作業」と思っています(超個人的異意見)。
Pressage(プレッサージュ)圧縮:のこった果皮「Marc(マール)」を圧縮して、ワインを絞り出します。
⑥Assembrage(アッサンブラージュ):混醸
Debourbage(デブルバージュ):発酵を行う前に果汁をしばらくそのままにして、固形物を沈殿させます。
Soutirage(スーティラージュ):フィルター処理または重力のみを使い、果汁と固形物を分離させます。
Elevage(エルバージュ)樽熟成:赤ワインは平均して2年前後程、樽で熟成が行われます。
⑦ここで行うか⑥で行うかの違いです。省略。
⑧Filtration(フィルトラシオン)濾過
瓶詰めして、完成!!
次回はロゼとか流行りのオレンジなど
いかがでしたでしょうか。
少しでもみなさまのワインの知識に貢献できましたら幸いです。
次回は、いろいろな作り方のある「ロゼワイン」と、最近流行りの「オレンジワイン」について書いてみたいと思います。